竹原芳子さんというよりどんぐりさんという方がピンときます。
「カメラを止めるな!」前半、カメラを止めないで1カットで撮影し、後半はそれにまつわる模様を描いた作品、2017年の公開だったようで、もう5年たつのですね。
出演者はそれぞれ個性的な人ばかりでしたが、得意な風貌から一瞬で場をつかむ独特な女優さんがいました。その方がどんぐりさん(旧芸名)、竹原芳子さんです。
深田恭子さんが主演したテレビドラマ「ルパンの娘」でヒロインのおばあちゃん役を演じていました。こちらも個性的な役者さんの集まりでしたが、その中でもどんぐりさんの存在はとても印象にのこりました。
竹原芳子さん、なんとなく芸人さんが女優さんになられたのかと思っていました。そうではありませんでした。短大卒業後、30代までは証券会社で働いていたそうです。
40代になり裁判所の事務官として働き、充実した毎日をおくっていたときのこと、「仕事には定年がある。職人さんのように”自分ならでは”のモノが欲しい」、50歳のときに、「織田信長の時代は人生50年だったけれど、残りを第二の人生と位置づけ、やりたいことをやってみよう」と思われたそうです。
よしもとのタレント養成学校に入所し、卒業後55歳で俳優養成プロジェクトの講座を受講、舞台等を経験され、57歳で「カメラを止めるな」のオーディションを受け抜擢されました。
インタビューでの竹原さんの言葉がとても印象に残りました。
「飛び込んでしまえば何とかなる」
人それぞれなので強制はしないけれど
「年齢や人の目を気にするのではなく、自分の心に正直に、やりたいことをやるといい」
「遅咲きなので、100歳まで充実した人生を送りたい」
(原文から少しアレンジしています)
そして、バランス感覚を養うために、家の中では一本足の下駄で生活しているそうです。
竹原さんが画面を通じて特に印象に残ったのは、やりたいと思うことを通じて自分が持っているものを活かしているからなのかと感じました。また、竹原さんの笑顔は内面のお人柄がにじみ出たものなのかもしれません。50歳の時の決断はまさに「一念発起」、勇気を盛った決断だったと思います。
(竹原さんのインタビュー記事はこちら)
私は会社に居場所を求め続けていましたが、まさにそれは定年になればなくなる居場所でした。いろいろなことから私が求める本当の居場所は別だと気づき、いろいろと向き合ってきました。好きなことをやってみることで開けた部分もあると思います。自分にとって心地よい場所を増やし、心地よく生きたい。
今は「風の時代」目に見えないもの、こころや知性等内面を大事にする価値観。個々人が、個々人の価値観で豊かに生きる。わたしもそうありたい。「地の時代」の価値観を手放し、「風の時代」を生きていきます。