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言葉に対する感覚③~言葉のつなぎ方~


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  若いころ上司に怒られた話です。当時、2時間くらいの会議の要旨を300字程度にまとめる必要がありました。

 

 300字程度ですと、会議の概要(日時や議題、目的)と会議の要旨を箇条書き3つ程度にまとめるぐらいの文量。概要は議題等から抽出できますが、要旨を3つに絞ることも文章にすることも難しい。何をどうまとめたらよいかさっぱりわからない。

 

 わからないなりにも要旨を3点に絞ることから始め、メモを参考に文章を組み立てていきました。努力したまとめを上司に見せました。

 

 「これでは、何をまとめているのかわからない」具体の内容は忘れてしまったのですが、主語がない、目的語がない。いろいろな要素が混在していて、伝えたいことがわからないといわれました。やりなおしと言われても、精度を上げることが難しくいつも注意を受けていました。

 

 そのころ一緒に働いていた人の中で、文章が上手な人、Aさんがいました。Aさんに文章を添削してもらいました。

 

Aさんによると文章を書くコツがある。

 

 1つ目は「一つの文章で表現するのは一つのこと」一つの文章で二つのことを表現しようとすると、わかりづらくなることが多い。それを気を付けるだけでもだいぶ違う。

 

 二つ目は「同じことを指す言葉は表現をあわせる。」例えば、スズメについて文章を書くとします。その文章にスズメと鳥という言葉が混在しています。スズメと鳥を同じ意味で使っていると、スズメだけのことがかいてあるのか、スズメと鳥のことがかいてあるのかわからなくなる。

 

 最後に、「誰が読んでも同じ理解ができる文章にすること」でした。つまり、主語なり、目的語なりを明確にすること。例えば、朝食を食べました。では、誰が朝食を食べたのかわからない。○○氏は朝食を食べました。等、読み手に想像させるのではなく、解釈がゆれないように心がけることでした。

 

 その教えを胸に訓練をしてもなかなか上司の了承は得られません。Aさんに事前に添削をしてもらった内容で見せても、注意を受けます。最後は、私ではなく、Aさんが書いた文章を私が書いたことにして上司に見せる実験をしてみました。

 

 そうしたところ「赤いリンゴよりも真っ赤なリンゴの方がわかりやすい」という指摘を受けました。それぐらいしか突っ込みどころがなかったということもありますが、どんなに素晴らしい文章でも、文章の好みがあることです。私とAさんは上司が帰った後大笑いしました。

 

 上司、Aさんから教えてもらったことで、わかりやすい文章を書けるようになりたいと努力するようになりました。

 

 まだまだですが、こうやってブログを書けるようになりました。叱ってくれた上司に感謝です。


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