若いころからとてもお綺麗で、人一倍美意識が高いWさん。あと数年で還暦を迎えられるお年ですが、今でもお美しい女性です。
「綺麗なバラには棘がある」といいます。例えとして適切ではないかもしれませんが、お顔立ちはとてもお美しいのですが、ある程度深い話をするとトゲトゲでびっくりします。まさに「自分は正しい」女王様のように自分が一番でないと気が済まないのです。私はその人のことを心の中で「お局様」とあだ名をつけています。
Wさんは、ご自身のことを頼りになるお姉さん。姉御肌と位置づけているのだと思います。後輩が困っていたら、上司とも戦う。「困ったことがあったら頼ってほしい自分が解決してあげるから」という心持ちなのだと思います。本当に後輩を助けてくれるのであれば、ありがたいことです。ですが、後輩はWさんに助けてもらうことを望んでいないことが多いのです。
「何かあったらいつでも相談に乗るよ」と言ってもらえればうれしいですが、頼らないことにクレームを言われても困ります。後輩は先輩を頼るためにいるわけではないのだから。
Wさんは後輩が進めている仕事に口をはさんできます。上司に向かって「○○さんは私より経験がないのに××の仕事をするのはおかしい」、後輩に向かっては「あなたは間違っている。この仕事はこうやるの。その通りにやりなさい」、「あなたの考えは甘い。そんな考えじゃ世の中渡り歩いていけないわよ」等々
おそらくWさんにしてみれば、上司には、自分の優位性を示したい。後輩に向かっては、優位性の誇示と同じくらい、本当に後輩を思って言っている部分もあるのだと思います。ですが、後輩が自分に従わないと怒る。それはおせっかいですし質が悪いです。
後輩には後輩の意志、考えがあります。その後輩がやることに対して、なぜWさんが「あなたは間違っている」と言えるのか。不思議でなりません。
Wさんは過去に後輩をいじめて、その後輩が心を痛めたことが問題になりました。それから10年以上たつのですが、同じことを繰り返しています。年齢を重ねたせいか、収まっているときはあれど、火がつくと周りは手が付けられなくなります。
美しい女性は若いころは男性にちやほやされて、楽しい思いをすることが多いものです。だんだんと年齢を重ねていくにつれて、美しいだけでは声がかからなくなってきます。
Wさんは、なぜ女王様であり続けたいたいのか。もしかすると、孤独なのかもしれません。誰かから必要とされることで自分の存在を確認したいのかもしれません。必要とされたいがために強い言葉を言ってくる。ですが、そんなことをしても、人は寄ってきません。どんどん離れていきます。Wさんはきっとこのままいくのでしょうね。私も離れた一人です。挨拶はしますが、それ以上は関わろうとは思いません。
私は後輩に声をかけることはしますが、相手の話を無理に聞こうとはしません。相手が悩みを話してきたらお聴きします。意見を求めてきたら、意見を言います。大体は自分の話を聴いてもらうこと、共感されることで満足されます。その距離感でいいのだと思います。