先日とある映画のワンシーンが体験できるテーマパークのようなところに行きました。そこでは若い女性たちがヒロインを真似したポーズを楽しみ、写真を撮ってもらっています。真似したポーズをとるにはとある小道具が必要です。
彼女たちは、写真を撮ることよりも小道具を駆使してヒロインを真似するポーズを夢中で再現しようとしています。再現することを楽しむ姿からは自然な笑みが溢れ、見ているこちらも楽しくなりました。
そのテーマパークでは象徴的なモチーフの場所がもう一つありましす。その場所は、小道具とはあまり関係ない場所です。
60〜70代位の女性3〜4人位だったと思います。その小道具を恥ずかしそうに持ちながら、象徴的なモチーフの前でとびきりの笑顔をしています。女性達は交代で写真を撮りあっていました。
私はその様子を見て何故か目頭が熱くなりました。そして、その中の女性が照れ笑いしつつ小道具を持っている姿が写真のように瞼に焼きついています。
私はその時ベンチに腰掛けて、ソフトクリームを食べながら景色を見つつボーっとしていました。隣にはテーマパークにきたのにずっとスマホを覗き込んでいる人、また、仕事の電話がかかってきたのか、奥さんと2人でいながらもずっとスマホで話している男性もいました。
目に焼きついた女性の姿を見て、「この人のように恥ずかしがらずにやってみたいことをやってみる。こうやって目の前の今、この場所を楽しむ。楽しい世界の住民になった方がいいな。それは自分で選択できるのだな」と感じました。それで目頭が熱くなったのです。
ずっとスマホを覗き込んでいる人、好んでそれを楽しんでいるならそれはそれでよし。仕事の電話をしている人。何もテーマパークに来ているときまで、小難しい顔して仕事の話をしなくても良いのに。奥さんは邪魔にならないように、存在を消すかのように小さくなっていました。
私は心身のバランスを崩す前はテーマパークで仕事のことを考えているタイプでした。今思えば、仕事を考えることを選択し続けていたのです。でも、そんなことをしても何も解決しない。もっと悪いことに、自分の神経をすり減らし続けていました。
キッパリ頭から切り離しても、切り離さなくてもというより切り離さないことで好転することはない。
利己的ではなく自分を楽しんでいる時間は自分に幸せを与えます。そして、周りにも幸せを届けます。
こういうことがわかるようになって本当に良かった。