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この国のちから


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 国が推し進めてきたマイナンバーカード。1つのカードで住民票取得から健康保険証まで、また金融機関等とも紐付けされており、証明書にもなるカード。国は安全と利便性を訴えて、加入者にマイナポイントを付与するメリットもプラスし、加入の促進を図ってきた。

 

 そのマイナンバーカードであり得ない事故が起きた。別人の健康保険証を紐づけてしまったという。報道によると、その紐づけられた人のカナ表記、生年月日は一緒だったそうです。そして、別人の健康保険証が紐づけられていた人はマイナンバーカードと健康保険証の連携を希望していない(連携対象者ではない)方だったそうです。

 

 健康保険証を忘れて医療機関を受診したときに、マイナンバーカードを持っていたことからもしかしてと医療機関マイナンバーカードを提示したところ、ご連携が発覚したら良いという。

 

 報道によると、別人の健康保険証が紐づけられていた人は、総務省に連絡しました。総務省は、マイナンバーカード発行後のことは総務省にはわからない。別の連絡先を案内したそう。数箇所たらい回しにされて厚生労働省にたどり着いたそうです。

 

 総務省、デジタル省、厚生労働省の大臣のコメントもあった。総務省とデジタル省は自分の省庁の問題ではなく、厚労省の問題だと話す。厚労省は単なるミスだという。尺の問題かもしれないが、厚労省からの謝罪の言葉はなかった。

 

 朝からこの報道を見て、この国のちからってなんだろうと感じました。健康情報は重要な個人情報です。多くの人は自分の病歴、通院先、服用の薬を他人に知られたくありません。

 

 もし間違えたままで誤って他人にその人の症状と合わない薬を処方したら命に係わる事態になります。もし事故にあって、自分に意識がなく、間違って紐づけられた健康保険証から得られる情報で処置をされたら、死んでしまうかもしれません。

 

 厚労省の大臣は、「事務のミス」といっていましたが、正確に連携できないなら、マイナンバーカードなんて作る必要あったのでしょうか。国民の税金を基に、マイナポイントというメリットをつけてまで推進する必要があったのでしょうか。

 

 10年くらい前までは、国を信じる気持ちがあった。今は国を信じる気持ちは大幅に減った。国会を見れば、本質的な議論はなされず、日本語の言葉のニュアンスを突っつきあっているようにしか見えない時もある。国会議員さんたち、本当にこれでいいのですか?

 

 マイナンバーカードの事故、厚労省の担当者や所管部門の人たちの単純なミスだけが原因ではないと思う。厚労省はじめ各省庁は国民の情報を扱うにあたり、しっかりとした体制と技術を確立する組織づくりが必要だったのではないでしょうか。

 

 究極は「自分で気をつけるしかない」。私はすでにマイナンバーカードを取得しているが、取得前だったら、「マイナンバーカードを持たない」が気を付けることができる有力な対応策になる。それはなんとも虚しい対策だと思う。


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