今を大切に生きる

心豊かに生きていきたい

教えてほしいことがあれば・・・

 サービスの提供に関する説明を受けました。説明者はおそらく30歳位の女性。熱心に説明をしています。

 

 彼女が説明をする目的は、営業。そのサービスを私が勤めている会社に売りたいと思っています。

 

 彼女は最初にデメリットを説明したうえで、サービスのメリットばかりを話します。実際に試しに使ってみると、メリットはわかるけれど、逆に面倒なこともある。また、小さな使い勝手の悪さもある。使い慣れたものを新しいサービスにするには、使い慣れたものの良さが無くなることはデメリットに感じる。

 

 彼女は先方が何を気にしているか。そのようなことを聞きながら説明していきたいと相手の立場に立った提案をしようとしています。

 

 社会人経験の中で、営業を経験したことがありました。お客様から依頼があり、自社の製品を説明したところ、お客様は全く私の話を聴いてくれず、お客様から私への質問とその答えは全くかみ合いません。仕方がないので、お客様がなぜそのような質問をするのか話を聴いてみると、お客様にはその商品以前に大きく引っかかることがありました。その解決策を一緒に考えた後にやっと話をきいてもらえました。

 

 その経験から得た教訓。「営業とは相手の話を聴くこと」相手が何に興味があるか、不安に思ったいるかをキャッチし、それに答えることで相手は聞く耳ができる。商品の説明を聞いていただけるのはそのあとです。

 

 自分が得た教訓からも私は彼女の説明のスタンスに好感を持っていました。

 

 ところが、彼女は説明の終わりに「何が教えてほしいことがあれば、ご連絡ください」といいました。

 

 言いたいことはわかる。わかりづらいことや不明点があればいくらでも説明しますといいたかったのでしょう。

 

 ですが、「教えてほしい」というのは聞き手が発する言葉、話し手が「教えてほしいことがあれば」といってしまっては上から目線、「教えてやる」に聞こえてしまうのです。

 

 残念に思いました。

 

 小姑のようで、厳しい視線です。こういう言葉を使うのは、彼女が顧客を上から見ているのか、言葉の使い方を知らないから。私独自の厳しい価値観かもしれません。

 

 相手に対して敬意を持っていれば、多少敬語の使い方が間違えていても、その思いは伝わる。言葉の使い方を知らないのなら、私のように引っかかる人も出てくるだろう。しかし、気づけば自分で正すこともできる。

 

 同じサービスを購入するのだったらだったら、「教えてほしいことがあれば」という人よりも「ご不明な点や気になることがありましたら、小さなことでも結構ですのでお聞かせください」と言う人から買いたい。

 

入院給付金の対象者見直し

 新型コロナウイルスの感染に伴う医療保険について、入院給付金の対象者が今月下旬に変更になるという。

 

 同じ保険に加入していても、感染の時期により支払いの対象になるか、ならないかが変わる。

 

 新型コロナウイルスに感染し、自宅療養となった人には見直し前は保険金が支払われるが、見直し後には支払われないという。

 

 このことが腑に落ちない。保険は何があった時のリスクに対して入るもの。自宅療養は行政からの指示。

 

 入院保険金という名称から、実際に入院してないからと支払の対象にならないと言われればそれまでだけど、入院できないからやむを得ず自宅療養というケースもある。同じ保険なのに、感染の時期が違うだけで、給付対象が決まる。

 

 そのことを知ったのはニュース。本来であれば、保険会社から加入者あてに説明があるのが筋だと思う。お客様にとってはマイナスの改変です。

 

 ニュースで流れるくらいだから、見直しをすることは保険会社にとって、法的リスクはないのでしょう。

 

 保険会社は加入者からの保険料を収入として運用し、保険金を支払う。それで儲かる仕組みをつくっている。今回莫大な給付金が発生し、国の療養基準の見直しと足並みを揃えて、対象者を変更したのだと思います。

 

 申込、契約をしたものに対して、一般的には途中でサービスの変更がなされる場合どのようなケースがあるでしょうか。

 

 例えば、夕食に5千円のコースを予約していたとします。元メニューのメインの食材を調達できなかったり場合、飲食店は同等かそれ以上の仕入れ価格の代替メニューを提供するでしょう。それが商売のように感じます。

 

 保険という商品は何かあった時のリスクに備えてはいるものです。

 

 見直し後の保険金支給対象者は、65歳以上の人、妊婦、入院の必要がある人、重症化リスクの高い人になるようです。

 

 今までも、若くて基礎疾患がない人も重症化していました。そういう人は自宅療養でも保険金は出るのかもしれないけど、その場合、それを証明することもお客様がしなければいけないこと。大変です。

 

 入院給付金という名称から、入院できない自宅療養に対して支給しないというのはわかる気もする。ですが、商品のサービス内容が変わることは、顧客には丁寧な説明が必要だと感じました。

伝え方次第

 ブログで交流のある方が尻拭いについて投稿され、感慨深くその記事を読みました。

 

 尻拭いとは、他人の失敗の後始末をすること。ミスを犯した人のフォローから中途半端な状態で時間切れになったことをひきとる等、それまでその業務をおこなっていたひとから業務を切り離して、ほかの人が改善をはかること。

 

 普通に考えれば尻拭いは、上司や先輩が行うもの、ドラマではそのような描写があります。そういうケースもありますが、実際には上司や先輩の尻拭いをすることの方が多いように思います。

 

 上司が立てた企画の尻拭いをしたことがありました。上司の企画は経営トップにも都合が良い。実際に誰がやるか、どのようにやるかは決まっていないまま、いつやるかだけが決まっていました。

 

 その企画を検証すると、根拠となる数字の捉え方に齟齬(間違い)がありました。(ロジックが間違えているので、企画どおりの成果は難しい)

 

 その上の上司にその齟齬を話すと、ある程度は理解してくれました。ただ、今回のケースの場合は、副次的な要素があるから、このまま進めるという判断でした。それを丁寧に説明してくれました。

 

 仕事には納得できなくても、上司の話す言葉、伝え方から、やることへの割り切りもできました。この上司はその時の状況、メリット・デメリットを鑑みたうえで、自分の考えがわかるように部下に話せる技量がある人でした。

 

 別の話ですが、課長職がマネジメント能力に欠け、部下が困っている時、「あなたたちが上司を育ててあげればいいじゃない」と言われました。

 

 課長職成り立てでサポートが必要な状況ならそれもわかります。その課長はベテラン課長。部長さん、あなたは課長の上司なのだから、あなたが課長に指導すればいいじゃない。と部下たちは思いました。その部長は、手柄は上司、失敗は部下の責任という考え方。部下たちの言いたいことは通じません。

 

 もし、前述の上司なら、自分が指導することもできるだろうけれど、そのことを通じて問題を解決することで部下を育てようという思いがあれば、こういう伝え方をしたと思う。

 

 「あの課長には、あなたたちが言うようなところがある。それは、自分が指摘するよりも、部下の立場から指摘したほうが、うまくいくと思うんだ。うまくいかないようなら、自分からもフォローするので、やってみてもらえないか。また話を聞かせてほしい」と。

 

 役職は人を育てると言いますが、役職がある分、その分報酬を得ています。尊敬されるリーダーは、幅広い視野でものを見て、自分の考えを丁寧に伝えられる人。そういう人が少ないのも事実。そういう組織は似たようなところをぐるぐる回っているように思う。


スポンサードリンク