父が撮影旅行で石川県を訪ねた際に気多大社のお札を買ってきてくれたことをきっかけに2度お参りに行った。
最初にお参りしたのは6年ほど前。気多大社でご祈祷を受けることを主目的に冬の寒い日、石川県を訪ねた。そのころ私は水鳥に興味を持ち始め、金沢から気多大社のある羽咋に向かう電車の中から見える川で水鳥の観察も楽しんだ。そのときに「鵜祭」という神事があることを知りとても興味を持った。
「鵜祭」は12月16日の未明に行われる神事
七尾市にある鵜浦(うのうら)の鹿渡島(かどしま)で鵜捕部(うとりべ)といわれる方たちが鵜(海鵜)を捕獲する。捕獲された鵜は籠にいれられ、「鵜様」と呼ばれる。
「鵜様」は鹿渡島から羽咋市の気多大社迄の約40キロを歩いて運ばれる。その道中は「鵜様道中」とい「うっとりべー、うっとりべー」の掛け声の知らせにより近隣の住民の方々は「鵜様」に手を合わせる。「鵜様」は12月14日の夕方に気多大社に到着し、16日の未明に神事が行われます。「鵜様」の動きから翌年の吉凶を占います。
その神事に興味を持った。未明に行われる神事に観光客の参列が許されるかわからないなまま、2年前「鵜祭」を体験したくて石川県への旅行を企画した。
残念ながら鵜が捕獲できず「鵜祭」中止になった。旅行は決行した。
初日に気多大社をお参りし、その夜金沢に住む友人と会った。もし、「鵜祭」が開催されたときは、同日車で連れて行ってくれる予定でしたが、「鵜祭」が中止になったので鵜浦の鹿渡島に案内してくれるという。なんてありがたいことでしょう。
鵜浦は車がないといけない。また、地縁がないと行くことが難しいところ。友人の取り計らいで鹿渡島に行くことができ、鵜を捕獲するであろう場所も見ることができた。
鵜が捕獲できなかったことは、鹿渡島の護岸工事等環境変化によるものかとの見方もあるが、私は温暖化による地球環境の変化が大きいと感じている。環境や生きることへの複雑な思いと友人の好意に胸が熱くなった。
生活が便利になるにつれ、自然環境が崩れていく。美しく見える海も空も温暖化が進んでいる。海鵜や渡り鳥、人間以外の生き物にも温暖化の影響は出ている。私たちが住む地球の環境が崩れてしまったら私たちは生活を営むことはできなくなる。日々の暮らしは当たり前ではない。
今年は鵜が捕獲されたとき、金沢に住む友人が連絡をくれた。とても嬉しい知らせだった。
そして「鵜祭」が開催された。
「鵜祭」の開催は地球環境、日常への感謝の気持ちを思い出させてくれた。
また友人の温かい気持ちや楽しかった旅、旅で出逢ったさまざまな感動を思い出させてくれた。
これからも「鵜祭」が開催できる環境が続いて欲しい。
そのために小さくてもできることを積み重ねたい。
そして実際に「鵜祭」を見たい