今を大切に生きる

心豊かに生きていきたい

他人を許す④


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 先週末大学の卒業研究の打ち上げがあり、怒りを持った2人を許そうと思ったことを書いています。③ではその中の一人の先生のことを書きました。

 

 先生はなんとなく、学生から好かれていません。そりゃそうでしょう「自分の頭で考えろ」と言い続け、学生からの返信はしない。指導方針が良い悪いかは別として、人として好かれないことは仕方ないと思います。

 

 それでも、先生はちゃんとその集まりにきました。返信をしないような状況で、よくきたなと感じます。多くが自分よりも年上の生徒、それも社会人ばかり。社会人からすると返信をしないってありえない。それだけで信頼を失う話です。先生は、一般企業では働いたことはないようです。そういうことがわかっているのかどうかはわかりませんが、返信をするというのは世の中の礼儀です。

 

 会の最中、先生は、嬉しそうにしていました。生徒との飲み会なんてそんなにはないでしょう。その先生は自分で、熱くなると話し続けるタイプといっていました。具体的には、ゼミの中では、大きく違うことを話したり、参考にしている研究者の考えと先生の考えが違うときに発動します。ゼミではなく、スクーリングといったティーチングの授業では、熱くなったときに発動します。

 

 会の場では、おそらく、学生たちが主役の場、話さないで聴こうとする姿勢を取っているように見えました。

 

 先生とのコミュニケーションを通じて、先生の今が垣間見える場面がありました。先生が以前交流があったであろう大学の先生の講座に通い始めた話をしました。そのとき先生は感情に富んだ反応を見せました。その表情や語気から、過去にネガティブな何かがあったことを感じました。

 

 また、今の自分の大学教員であるけれども、どうも大学教員よりも、カウンセラーとして現場の仕事をしたい気持ちが強いようなことがわかりました。お子さんもまだ小さいので、働く必要があるというようなニュアンスでした。だけど、大学教員として,なんかを頼まれたら、それは喜んで引き受けると言っていました。

 

 会の最後に学生の一人が、「先生はなんでメールの返信をしないのですか?」と聞くと、先生によれば、タイミングが合えば返信をすることもあるけれど、事務局が偏していたらそれでいい。余裕がないと思ってもらえれば。」と話されました。

 

 余裕がないから返事していいかというと、それは違う。だけど、違うとジャッジしても仕方がない。余裕がないというくらい余裕がないのでしょう。相手を変えようとしても仕方ない。そして、この先生は、先生としての立場で今を生きていて、そのうえで、返信をしないという行動をとっている。

 

 そんな相手を変えようとしても仕方がない。というより、その先生の現状がわかったとき、もう一人の怒りを感じた人同様にこの人も自分の人生を生きようと頑張っているんだ。失礼な態度は私に原因があるんじゃないんだ。許してあげよう。と思ったのです。自分でも意外な反応でした。

 

 終わったから許せる気持ちというのはあります。でも、許した方が本当に気持ちが楽です。それに対してイライラすることもないから。変わらない他人に対して、自分の大切な今にネガティブに侵害されることは、もったいない。それがわかりました。(おわり)

 


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