昨日は、昨今よく言われる「インクルージョン」日本語で言う「公平」について、会社の中での「公平」は、見る人によって異なるように感じていることの例として、社会問題として、少子高齢化があり、育児と介護により、就業に影響が発生する。その点は変わらないけれど、育児と介護では、育児の方が手厚いサポートとなっていると言うことを書きました。
その続きです。なぜ、育児より介護のサポートの方が手厚くないのか。それは、その制度を作る会社が、従業員の家族の問題の中でも育児と介護を別の視点で見ている、根底として社会の流れもありますが、制度の設置者の考え方が反映されているのかも知れません。
例えば、育児をする人、介護をする人、仕事で時間的に影響を及ぼすことには変わりはありません。しかし、育児の場合は、会社として、保育所の斡旋や病児保育の補助をしているところがあります。
一方で介護の場合は、例えば介護施設の斡旋や介護者の病気の補助をしているかというとあまりそのような話を私は聞いたことがありません。
とはいえ、社会も、会社の中でも、今の基盤(負の面も含めて)を作ってきた人たちはずっと働いてきた人たちともいえます。これから基盤を作って働くたちと、すでに基盤を作ってきた人たち、今を生きる人たちを同じように支援する考え方があってもいいように思います。
話は戻りまして、育児をする人、介護をする人、どちらにも該当しない人を人事の査定でどのように考えるか。これも重要です。
女性、同じ入社年次、学歴の育児をする人とその人のサポートもしていた人(結婚しているけれど子供はいないもしくは独身の女性)が昇進対象だった場合、どちらか一人を昇進させるとしたらどちらが選ばれるでしょうか。
会社が子育て支援の実績、女性管理職の増加を急いでいたら、育児中の女性が選ばれるかもしれません。なぜなら、会社としてその実績ができるから。そして、今回ノミネートされなかった女性は、力があるから、来年でもいいだろうと思うかも知れません。こうなったら、サポートしてきた女性は不満でしょう。公平とは言えません。
逆のケースもあります。サポートもしている女性が昇進した場合、子育て中の女性はどう思うでしょう。そうなると、マミートラックといって、育休明けに責任のある仕事を与えてらえないから、こうなった。とか、効率よく子育て中の女性が成果を出しているのに、時短や育児休業がネックとなっているから、ダメだった。子育て中の女性は公平と思わないでしょう。
この場合の育児をする女性と、サポートもしている女性、どう見るか、どう評価するか。その時の会社の状況もある。そしてその上司が、その二人をどう評価しているか。つまり、上司がその部下が好きか、嫌いか。自分にとって、自分の評価を高める活躍をしてくれる部下か、自分をサポートしてくれる部下かなどなど、自分の主観軸をベースに判断されるのであれば、そもそも公平とは程遠いとも言えます。また、その上の上司が全く別の評価だった時は、その上の上司の評価が通ることになります。
制度も評価もどうしても設置者、評価者の主観が入ります。その中で「公平」をどのように考えるのか、「公平」な軸が大事だと感じました。