若い頃多少なりとも縁があった人が手掛けた施設に行った。私はその施設に年1回7年くらいお世話になっている。
その縁があった人は私がその施設に訪れる1年か2年前に病気で亡くなった。
3年前、その施設に行く時、そういえばそあの人、この辺りに実家があって、実家で事業（経営）をしているって言ってた。お父さんと同じ職業を目指していると。今頃は継いだ頃かしらと。思い出した。
名前は覚えていた。地域のエリア名と、名前を入れて検索したら、私が行く施設の長と苗字が同じ。その時はわからなかった。
帰り道で色々調べて苗字が一緒だったその施設を調べていくと、そこからその人の写真が出てきた。そして、その人は既に亡くなり、その人の兄弟が跡を継いだことがわかった。
その兄弟の方とも一度電話で話した記憶がある。あちらは覚えてないでしょうが。
行きしなにその人のことを思い出した。施設から帰る時、その人が生きた街を眺めながら帰った。こころの中で「今日もお世話になりました。また、来年来るね」と伝えた。
「安心して良いよ。困ったことがあったら頼ったら良い。」とくったくのない笑顔と声が聞こえたような気がした。
ほんの短い期間、心が通じた記憶がある。深い仲ではなかったけれど、その人は生きていたら、私のことを覚えてくれていたと思う。もし生きていたら、もう一度話したかったな。
志半ばで命をおとされ、無念だったと思う。しかし、その人が理想とした姿はその施設に、兄弟に、働く人に間違いなく受け継がれ、その人の想いは確実に刻まれている。
私がその施設を訪ねることとなり、その後のその人の生き様を知ることにも意味があると思う。
もし若い頃、その人が生きてる間にもっと心をかわすことができていたらあったら、別の今があったと思う。また、今必要な教えを説いてくれているようにも思う。
