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田邉教授の要求をはねつけた万太郎


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  NHK朝の連続テレビ小説「らんまん」実存の天才植物学者をモデルにし、その生涯を描くドラマ。

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 先週は、万太郎が東京大学の植物学研究室に出入りすることを許した田邉教授との間で大きな節目がありました。万太郎は、結婚のお祝いとして、自宅に招かれます。その自宅で、万太郎は、田邉教授から専属のプラントハンターになるように言われました。

 

 プラントハンターとして、新種を見つければ報奨金を出す。なので生活は安定する。そして、大学の植物学教室にも出入りができ研究を進められる。田邉教授は新種に「マキノイ」と一部名前を入れてあげてもいいという条件も出します。万太郎が新種を発見した際は田邉教授の名前で発表するというのです。

 

 万太郎は「それは困りますき。この見つけた植物に愛情を持っている。寿恵子さん(妻)を誰にも渡したくない」と教授の申し出をきっぱりと断ります。

 

 田邉教授は「小学校も出ていない虫けらの言うことを誰が信じるのか。自分というバックがあるから。君は私を頼るしかないんだ」と言います。

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 万太郎は小学校を中退しているそうですから、正式に大学に入学できる状況ではありません。その万太郎が、自分の力で植物学の力があることを証明するのは簡単なことではありません。

 

 田邉教授は、万太郎の天性の才能と実力を認めていたのだと思います。一瞬、大学に入学していない人に植物学教室への出入りを許し、その成果にも報奨金を払うということは万太郎を認めているからできることだと思います。また一見、万太郎を思っての行動のようにも思います。

 

 もう少し深く見ると、田邉教授は万太郎に自分にはない才能を感じ、万太郎の才能に脅威、いつか自分の存在を脅かすことになりかねない。とも感じたのでしょう。また、自分の手柄を得るために、万太郎は利用価値があると見込んだのでしょう。もうこの時点で、田邉教授は万太郎に嫉妬、劣等感があったのでしょう。

 

 田邉教授が本当に日本の植物学の発展を考えていたなら、万太郎に出資をし、海外に留学させ、共同で研究を進めるもしくは、自分の後を継ぐ存在にすることも考えられたでしょう。こうやって考えると、田邉教授は万太郎に自分のための提案をしたように感じます。

 

 万太郎の生活は楽ではありません。そのような中で田邉教授からの提案は、安泰に暮らしていける報酬と植物学を学ぶ場が提供されるという意味では万太郎にとっても、全く魅力を感じない話ではなかったでしょう。

 

 万太郎はなぜ田邉教授の要求を撥ねつけられたのでしょうか。

 

 植物への愛情、興味、新種を発表するという熱意、万太郎は自分が植物学の権威になるという夢を信じて疑わなかった、自分が成し遂げたいことが明確だったのだと思います。自分が植物学の権威になるという夢と田邉教授の提案は、相容れません。

 

 万太郎にとって、生活の安定よりも、自分が成し遂げたいことの方が大切だったのです。そして、植物、自分の大切な人(妻寿恵子さん、家族)が大切だから誰にも渡したくない、ごくごく人間として大切な気持ちを大切にしたのだと思います。

 

 また、万太郎には「自分はダメだ」ではなく、自分は植物学の権威になれるとという「自己効力感」があったのだと思います。自分を信じることができたのだと思います。

 

 万太郎の生き方も私の今後の生き方の参考にしたいと思いました。


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