「チャイルド・ライフ・スペシャリスト」をご存じでしょうか。
5月に放映されたNHKプロフェッショナル仕事の流儀によると、
通称CLS。
入院・闘病中の子どもの不安や恐怖を取り除き、安心して自分の病気と向き合えるように心理的側面から支援する専門職で、日本ではまだ新しい職種です。
番組を見たのは5月でした。内容をはっきりと覚えていないところはありますが、こんなお話でした。
小児がん等で入院する子どもは、親やきょうだいに申し訳ないと思っています。また自分の存在自体を申し訳ないと思っているところもあり、自分の気持ちが言えないことがあります。また、病への恐れや不安から気持ちが言えないこともあります。
医療の中で、例えば副作用のある注射をしなければならないことがあります。子どもは注射が受けられるように採決をするときの台に腕をのせながら「嫌だー、嫌だー」と泣いています。看護師は注射を打っていいかどうか判断に迷います。
その時にチャイルド・ライフ・スペシャリストが子どもに真意を聞きます。「注射辞める?どうする?」というようなことを直接この言葉ではなかったと思いますが子どもに尋ねます。子どもは首を縦に振りません。つまり、注射を受けることに同意はしているのですが、いろいろな思いから「嫌だー、嫌だー」と泣いているのです。その様子を見て、チャイルド・ライフ・スペシャリストは看護師に注射OKのサインを出します。
一般社団法人日本チャイルド・ライフ・スペシャリスト協会に以下記載がありました。
チャイルド・ライフ・スペシャリスト(CLS)は、子どもの発達やストレスへの対処に関する専門知識を持ち、子どもと家族が困難な出来事に直面した時に、それを乗り越えるための支援をする専門家です。
上述のような医療体験によって、子どもが心に傷を負うことのないように、心理社会的支援を提供します。病院での医療体験が、「僕、頑張ったよ」「病院でも楽しいことあったよ」と、少しでも優しく前向きなものとして、子どもの中に残ることを目指しています。
私はこの職業を知りませんでした。そして、衝撃を受けました。私が心理に興味をもったきっかけは、この「チャイルド・ライフ・スペシャリスト」が原点だと思います。「チャイルド・ライフ・スペシャリスト」はアメリカの大学・大学院で学ぶ必要があります。日本ではその教育制度はありません。
もし、私が10年若かったら、思い切ってこちらをめざしたかもしれません。
この「チャイルド・ライフ・スペシャリスト」から思うことがたくさんあります。そういうことも考え併せて将来を考えていきたいと思います。